第4回大会の報告 2019年3月2日(土) 於:武蔵野大学

子どもの日本語教育研究会 第4回大会報告

子どもの日本語教育研究会第4回大会は、好天にも恵まれた中、“東京2020”の気運高まる有明地区の武蔵野大学にて行われました。200名を超える方がご参加くださり、有意義かつ活発な情報・意見交換の場となりました。今回は初めてお越しくださった方も多く、子どもの日本語教育に対する関心の高さも窺えました。ここでは、会場の写真とアンケートで寄せられた皆様の声を合わせて、大会のご報告をさせていただきたいと思います。(なお、各発表の内容は「実践と研究のリソース」の第4回大会抄録内容をご覧ください)
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午前中は、開会式の後、会場を移して3教室においてポスターセッションが行われました。前半後半約50分ずつに分かれ、計19本の発表が行われましたが、時間があっという間に過ぎるほど中身の濃い発表と議論が展開されました。今回は研究発表が12本、実践発表が7本でしたが、ポスターセッション全体につきましては、非常に勉強になったとのご感想を多くいただきました。

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ただし、アンケートでは、もっと実践発表をと望む声も聞かれました。本研究会は、一方向での情報提供ではなく、相互に資源としての実践・研究の成果を交流することを目指しています。実践をなさっている皆さん、是非、ご発表をご検討ください。

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午後の前半は、公募パネル「『文化間移動をする子どもの育ち』を支える教育人材の育成」と、児玉晃一氏を迎えてのセミナー「文化間移動をする子どもたちの在留資格と進路」が並行して行われました。パネルは「教員の養成・研修モデルプログラム事業」への関心の高さもあり、急遽会場に補助イスを持ち込むほどの盛況ぶりでした。参加なさった方からも、その有意性についてコメントを頂きました。
pho4.jpgまた一方のセミナーの方も、普段あまり詳しく知ることのない法的な面からのご説明は、有意義な勉強の機会となったようです。会場では、多くの質問がありましたし、セミナー終了後にも、児玉弁護士への質問の列ができるほどでした。アンケートでは、少し難しい内容でしたが、やはり法的な知識の理解の必要性も感じられたとのご感想をいただきました。また、両方を聞きたかったので並行していたのが残念だったとのご意見もありました。

pho5.jpg午後の後半は、大会企画の「子どもをとりまく学校・ボランティア・企業の連携 ― トランスフォーメーショナルな場の形成に向けて-」と銘打ったパネルが行われました。東京都江東区にける外国人の子どもの支援の状況に関し、行政の受け入れ体制・対応、URコミュニティの支援、pho6.jpg地域ボランティア支援の活動、留学生による支援のご報告がありました。現状がどうであるのか、それをどのように位置づけたらいいのか、について日本語教育以外の分野の知見として、サービス・ラーニングやトランスフォーメーショナルなどの新しい概念を示す用語が紹介されました。ご自分の立場やこれからどうすべきかを考える場になったというご感想をいただいた一方で、もう少し意見交換の時間がほしかったというご意見も頂戴しました。これは今後の課題とさせていただきたいと思います。

アンケートでは、全体として、もっといろいろな実践を聞きたい、もっと情報交換をしたいというようなご意見をたくさん頂戴しました。また、開催時期の検討を期待するというご意見などもあり、今後の運営にとって貴重な示唆をいただきました。
今回は、会場運営から大会パネル懇親会まで実行委員でお引き受けしましたが、いろいろと至らぬ点もあった方思います。頂きましたご意見、ご感想は次回の委員の方に引き継ぎたいと思います。この研究会が益々発展し、それと同時に現場の抱える問題が、それを取り巻く関係者の連携の中で良い方向に向かうことを願っております。
どうもありがとうございました。
(第4回大会実行委員長 武蔵野大学 村澤慶昭)

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